国語のテストのときに
「これって誰が書いた作品だっけ?」
「〇〇って何の作者?」
などと困ったことがある人は、少なからず居ると思います。
実は今、それをさらさらっと答えてしまう学生さんたちが沢山居ることはご存知でしたか?
その理由は、とあるアニメ作品にありました。
それは【文豪ストレイドッグス】です。
学生を中心に、若者の間で人気の【文豪ストレイドッグス】ですが【文豪ストレイドッグス】を好きだからと言って、国語の教科書に出てくる本の作者を、さらっと答えるようになるのか・・・
今、話題沸騰中のアニメ、【文豪ストレイドッグス】の人気の秘密と、それに反する『文豪ストレイドッグスは面白くない!』という意見にも迫っていきます!
文豪ストレイドッグスの人気の理由!
文豪ストレイドッグス(以下文スト)は、中高生や若い女性を中心に、今大人気のアニメシリーズとなっています。
現在(2019年春期)アニメ第3期が放送中で、原作となる漫画作品は17巻まで刊行されました。
「そもそも文ストって何?」という方のために、まずはこの物語の簡単なあらすじを紹介したいと思います。
主人公は、幼い頃から孤児院で育てられた苦労人の少年・中島敦。
ある日、彼の暮らしていた孤児院の経営が立ち行かなくなり、敦は孤児院から追い出されてしまいます。
敦は充分な食事も寝床も得られず、夜な夜な舞台である【ヨコハマ】の地をさまよいます。
それから二週間ほどの時が流れた頃、敦はひょんなことから、物語の鍵となる人物・太宰治と出会うことに。
太宰に連れて来られたのは、ヨコハマの地を守るとある小さな組織、【武装探偵社】。
武装探偵社は色々な厄介ごとを解決する探偵稼業を営んでいるのですが、実は彼らの本当の仕事は、【異能力】と呼ばれる特殊な力を駆使してヨコハマの平和を守る事でした。
敦はこの武装探偵社の一員として、ライバル組織【ポートマフィア】や、異国の大規模組織【組合(ギルド)】などとの対決を経て、自らの生きる理由を探し求めていきます。
中島敦を中心に展開されていく、ド派手な異能力アクションも特徴の今作。
この作品の人気の理由は何なのか?
いくつかのポイントを取り上げて、探っていきましょう。
人気の理由① 〜親しみやすい登場人物〜
先程、あらすじでも登場した太宰治。
あなたも一度は名前を聞いたことがあるのではないでしょうか?
他にも芥川龍之介や、夏目漱石、宮沢賢治などなど…この物語には、有名な文豪達が数多く登場します。
初めて読む作品といえば、
「見知らぬ名前の人たちが沢山出てきて、名前を覚えるだけでも大変!」
ということもありますよね。
その点、キャラクターの名前がすっと入ってきて、物語に集中しやすいというのはいい工夫なのかもしれませんね。
人気の理由② 〜文豪が戦うだけじゃない!? 涙を誘う感動ストーリー〜
文ストなんて、イケメンになった文豪がただ戦っているだけ。
そう思う人も少なくはないことでしょう。
ですが試しに一度、騙されたと思って見てみてください。
そのコミカルなテンポ感と、何よりも奥が深いストーリーに、あなたものめり込むと思いますよ!
文豪の名前を借りた多くのキャラクターが登場する今作。
主人公の中島敦だけではなく、その周りの人物にまでスポットライトの当たった人間味の溢れるストーリーも、この作品の特徴です。
それが文ストの第二の魅力だと感じる人は、少なくない事でしょう。
以下は物語のネタバレが含まれますので、「自分で見たい!」という方は次のトピックまで飛ばしてくださいね。
『文豪ストレイドッグス』の芥川龍之介と太宰治を紹介!
魅力的な登場人物だらけの今作ですが、今回は先程も名前を挙げた、芥川龍之介という人物について紹介したいと思います。
芥川は、中島敦のライバル組織であるポートマフィアに所属しています。
彼はポートマフィアの長(おさ)直属部隊である遊撃隊隊長兼、指名手配犯。
敦の先輩にあたる武装探偵社員・国木田独歩が、「こいつには遭(あ)うな 遭ったら逃げろ」と敦に警告するほど、芥川は強力な異能力者として恐れられていました。
しかし彼は、ただ恐ろしく、残虐なだけではなかったのです。
芥川が人を殺し続けるのには理由がありました。
冒頭で敦を武装探偵社へと連れてきた人物、太宰治。
実は芥川には、太宰とのある因縁(いんねん)がありました。
敦と同じように、芥川もまた、かつて太宰に拾われた存在だったのです。
敦が孤児院に居た一方、芥川は貧民街と呼ばれる、現代でいうと住処を持たないホームレスが沢山集まったような場所で暮らしていました。
芥川は、とある事件をきっかけにして、貧民街を飛び出しポートマフィアで生きることになります。
その理由を作ったのは、太宰でした。
太宰はかつて、武装探偵社のライバルである筈の、ポートマフィアに所属していたのです。
太宰は芥川の強さを見越して、貧民街から彼を引き抜きました。
芥川も、太宰の部下として努力し、強さを認めてもらう事に【生きる意味】を見つけて、太宰の教育を必死に受けました。
しかし、太宰は後に芥川を裏切るかの様な行動を取ります。
とある事件をきっかけに、発展途上の芥川を置き去り行方を眩ませてしまったのです。
芥川はこれをきっかけに、太宰に認めてもらうために、自分は強くなったと太宰に褒めてもらうために、ひたすら人を殺し続けるようになってしまいます。
人を殺してしまうのは、確かに良いことではありません。
しかしこの物語を読み進めていくと、彼らが人を殺すようになってしまった理由や、人を殺してでも懸命に生きていく理由が、次々に判明していきます。
文ストの登場人物は、全てのキャラクターが1人の人間として、懸命に生きようとしているのが大きな特徴だと私は考えます。
物語を読み進めれば読み進めるほど、キャラクターたちに生きる勇気をもらえるに違いありませんよ!
というように、文豪ストレイドッグスには人気の理由であろう魅力が沢山あることが分かりました。
また、冒頭でお伝えしたように、学生さんの国語の勉強の導入としても役立つのも、嬉しいポイントですね。
芥川龍之介の執筆した作品は、『羅生門』。
太宰治は『人間失格』と、自然に覚えられるのはすごいなと思います。
私も暗記をするのが苦手でしたが、このお陰で今ならテストで間違いなく正解できる気がしました。
ですが、人気の作品であればあるほど、「嫌い」「面白くない」と云った声も少なからずあることでしょう。
次は文ストが面白くないといっている人々の意見を見ていきましょう。
文豪ストレイドッグスが面白くないという意見を考察!
文豪ストレイドックスをよく思わない理由も、魅力と同様に多数ありました。
特に目立ったものをピックアップして紹介していきましょう!
文ストのここが微妙① 〜文豪の擬人化ってどうなの?〜
様々なところで耳にした意見としては、
「文豪を擬人化するなんて失礼ではないか」
というものがあります。
冷静に考えてみると、そもそも文豪は初めから人間ですので、擬人化と表現するのもおかしな話かもしれません。
そして特に批判が集まったのは、史実の文豪本人が好きな方々でした。
例えば自分の大好きな人が、名前や性格などを少しだけ真似した全くの別人になっていたら…?
誰でも、良いとは思えませんよね。
文ストの登場人物達は、はじめに紹介した通り、本物の文豪たちをモデルにしています。
例えば中島敦は、【山月記】という人が虎になってしまうお話が有名です。
実は文ストの敦もまた、虎になってしまう李徴氏と同じように、虎に変身する異能力を持っているんですね。
他にも谷崎潤一郎をモデルにしたキャラクターも居ます。谷崎の有名な作品といえば【痴人の愛】というものがありますね。
これにはナオミという麗しい少女に翻弄される主人公の姿があるのですが、実は文ストの谷崎にも、ナオミという妹がいるそうなんです。
また、関係性が全くもって真逆の登場人物も居ます。
先程取り上げた、太宰治と芥川龍之介。
一説によると、文豪である太宰は芥川を熱烈に尊敬しており、ノートを「芥川」の2文字で埋め尽くしていたとか。。。
ですが文ストにおける2人の関係は異なります。
どうやら芥川の方が太宰の後輩にあたり、太宰を熱烈に尊敬しているみたいですね。
このように、様々な文豪との繋がりがあるところを、面白いと思うか、失礼だと思うか…それが文ストへの評価の境目になっているようです。
文ストのここが微妙② 〜キャラ設定の放棄?〜
他に目立った意見としては、
「文豪にネタを借りるなんて雑!」
というものもありました。
確かに、自らオリジナルのキャラクターを考案し一(いち)から全てを考えているものと比べると
「雑!」
「手抜き!」
という意見が出るのも納得です。
特に元である文豪自身のファンからしてみれば、
「自分の好きな人を、ちょっとした知識で面白おかしく描かれるなんて悲しい…」
そう思ってしまいますよね。
文豪を擬人化する、というコンセプトができたとき、確かに作者の方達は、
「面白そう!」
「カッコいいかも!」
といった単純な理由だったかもしれません。
ですが作品を読み進めてみると、原作者の朝霧カフカ先生は、本当に文豪の方々とその作品をよく調べていたんだなぁ……
と、文豪本人が好きな皆さまでも、しみじみと実感していただけるのではないかと、私は思いました。
実は、最初は「うーん?」と思ったキャラクターに、後半になってから新たな事実が描かれる——。
そういったことが沢山あったんです。
あの時の気持ちにしたがって見るのをやめていたら、これを知ることができなかった……。
そう考えると、今、この記事を読んでくださったあなたには、ぜひぜひ見てみてほしい作品だと思います。
(筆者が感動した数々は、まだアニメでは描かれていないシーンが多いんですけどね!)
というように…キャラクター1人1人が、何故その名の異能力を持ち、何故そんな性格をしているのか。
そんな考察をしながら読み進めていく楽しみは、逆に元である文豪を愛しているあなたこそ(もしかしたら「全く知らないよ!」という方もいらっしゃるかもしれませんが……)できるかもしれません。
このように、文豪ストレイドッグスを面白くないと思う人の意見も考察してみました。
他にも、
「そもそも絵が嫌い!」
という話もありました。
誰だって
「なんとなくこの人の絵は苦手……」
だとか、
「この人の歌はあんまり好きじゃないな……」
などと思う人が、1人2人は居るのではないでしょうか。
もちろん、何を好きだと感じ、何を見るかはあなたの自由ですから、自分の好きなものを見ていけばいいと筆者は思っています。
ちなみに、アニメ文豪ストレイドッグスの原作で作画を担当している春河35先生の絵も、文ストの連載を通してすごく進化しているんです!
「アニメなら見てるよ!」
というあなたは、原作の漫画を読んでみてみるのもいいかもしれないですね。
文豪ストレイドッグス!面白いのか?面白くないのか?結局は・・・?
というわけで、文ストのいいところやそれ以外も含め、今回は簡単に紹介してみました。
どうでしたか?
結局、面白いのか面白くないのか……筆者の個人的な意見としては。。。
もちろん!
「面白い!」と思います。
「文ストの絵が好き!」
「面白そう!」
「芥川は結局太宰と会えたのかな??」
この記事を読んで、そう思ってくださったあなたは、ぜひアニメ【文豪ストレイドッグス】を見てみてくださいね。
ぴんと来なかったという方も、試しに見てみても損はないと思いますよ!